夏休みにおすすめ!植村冒険館

昭和という時代から平成、令和へと時が流れた今、
植村直己という冒険家を知っている若者はどれぐらいいるでしょうか。
登山家であり、冒険家でもあった植村直己は生きていれば78歳。
現役登山家の三浦雄一郎の9歳年下になります。

植村直己は1984年2月、厳冬期のマッキンリー(現デナリ)の単独登頂に成功しました。
これは世界初の偉業でしたが、登頂成功を伝える無線交信を最後に植村直己は消息を絶ちました。ーこの時植村直己は43歳。

そして今なお、その遺体は発見されることなくマッキンリーのどこかで静かに眠っています。

植村直己は様々な「初」を成し遂げています。

  • エベレスト日本人初登頂
  • 世界初五大陸最高峰登頂成功
  • 犬ぞり単独行で北極点到達(単独到達世界初)
  • 犬ぞり単独行でグリーンランド3000km縦断世界初
  • マッキンリー冬期単独登頂世界初

「初」ではないものの、他にも

アマゾン川を6000kmも筏で下ったり、
日本列島3000kmを徒歩で縦断したり、
北極圏12,000kmを走破したり・・・

43年という人生の中で、いえ、19歳で明治大学山岳部に入部したことから彼の冒険人生が始まったとするなら、わずか24年の間にこれだけの事をやり遂げているのですから驚きです。

数々の冒険と偉業を成し遂げた植村直己ですが、
マッキンリーで消息を絶った2ヶ月後、日本は彼の功績を称え

歴代4人目の国民栄誉賞を受賞しました。

ちなみにこの時、3人目の国民栄誉賞を俳優の故・長谷川一夫が受賞しています。
なんとこれまた史上初の複数人同時受賞となりました。

そんな彼の功績を世に残すため、板橋区は1992年に植村記念財団を設立し、植村冒険館を開館しました。

植村冒険館

基本情報

  • 所在地   〒174-0046東京都板橋区蓮根2-21-5
  • 開館時間  10:00~18:00 
  • 休館日   月曜日・年末年始
  • 電話番号  03-3969-7421
  • WEBサイト http://www.uemura-museum-tokyo.jp/

植村冒険館へのアクセスは都営地下鉄三田線蓮根駅から歩いて5分ですが、車で行っても駐車場が建物の前に2台分のスペースはありました。
しかし運転にあまり自信のない方には、ここの駐車場はやや狭いのでおススメはしません。
近所にコインパーキングがあるのでそちらを利用してください。

入口を入ると右手に受付がありますが、受付と言っても館内は無料で見学できますので笑顔で「こんにちは」と言って通り過ぎれば大丈夫です。
ちなみにオリジナルグッズもこちらで販売しいますので、気になる方は立ち寄ることをおススメします。

情報コーナー

入口を入ると左手奥には「情報コーナー」という図書館があります。
ここには冒険・探検、登山、アウトドアに関する図書が約5000冊集められており、この蔵書数は都内でも随一、さらには誰でも無料で利用することが出来ます。
原則として館内閲覧ですが、住所を証明できるものを持っていけば、一部は2週間3冊まで貸出してくれるようです。

このジャンルが好きな人には1日中ここで過ごせる場所です。

展示室

2階が展示室になりますが、階段の壁にも様々なパネルが展示されていて思わず歩みが遅くなります。

この展示室では年4回テーマを変えて植村直己の冒険を紹介する企画展示を行っています。
冒険で使用した装備をはじめ、植村自身が撮影した写真や日記などを展示していますが、毎年2月には、最後の冒険となってしまったマッキンリー登山を紹介するメモリアル展を行っています。

山頂に残された日の丸。
これこそが見たくて家族で訪れました。

*館内の撮影は写真パネルをメインとしたものは権利の保護の為禁止ですが、
背景としてなら撮影OKだそうです。

念願かなって見ることが出来た山頂に残された日の丸。

山頂に残されていた旗(実物) 植村直己が1984年2月12日、登頂した時に山頂に残した旗。 木綿製の日の丸はほぼ無傷だが、化繊の星条旗は激しい風雪でちぎられ、一部が残るのみである。 第2次捜索隊が回収するまで約3ヵ月間、山頂の風雪に耐えていた。

エベレスト山頂の厳しい天候にも耐えた木綿の日の丸。
化繊の星条旗はボロボロになったのに・・・。

令和元年度企画展(予定)

第1回 エベレスト偵察から50年

4月26日(金)~6月30日(日)

第2回 冒険で世界一周

7月12日(金)~9月23日(月)

第3回 収蔵品展 冒険家の押し入れ

10月4日(金)~2020年1月21日(火)

第4回 メモリアル展 山頂に残された旗

2020年2月1日(土)~4月14日(火)

*展示内容は変更になることがあります
*上記期間以外は展示を見ることが出来ません

夏休みはぜひ植村直己冒険館を訪れてみてください。

無料で見学できるのでおススメです!

余談ですが・・・

植村直己のファンである私は、結婚する前に一度この冒険館を訪れていたことがありました。
もう20年以上も前の事ですので何を展示していたのかは覚えていないのですが、受付の所で売られていたオリジナルグッズのキーホルダーを記念に買って帰りました。

それがこれ。

当時数あるモチーフの中でなぜこれを選んだのかは謎です・・・。

今でも同じようにモチーフ違いでいろんなキーホルダーが売られていたので思わず今回も買ってしまいました。
それがこちら。

結婚式を挙げたのが10月で、岩手の名産でもあるリンドウをブーケにしたのでこちらにしました。

くすの木でできていていい匂いがするようです。

余談ですが・・・2

新婚旅行は彼が眠っているマッキンリーが見たいと思い、アラスカへ行きました。

フェアバンクスのチェナホットスプリングスリゾートでオーロラを見た後、アンカレッジからレンタカーでタルキートナへと向かい彼が宿泊したLatitude62にチェックイン、するとなんと偶然にも植村直己が宿泊していた5号室に泊まることが出来ました。

10月というアラスカ観光には中途半端な時期なためかホテルの宿泊客は少なく、もし他の部屋を言われたら拙い英語で部屋をチェンジしてもらおうとさえ思っていたのですが、ホテルのスタッフは私の思惑を知ってか知らずか笑顔で5号室のルームキーを渡してくれました。

植村直己も座って手紙をしたためていたであろう机に私も座り、感慨にふけっていました。

そしてアンカレジに戻った私たちはこれまた植村直己が買い物に来ていたという革製品屋さん(店の名前は忘れてしまいました)に行き、店主のご厚意で彼がよく座っていたという椅子に座らせてもらうことが出来ました。

楽しかったな・・・アラスカ旅行。

ちなみにこの時来ていたジャケットとフリースは未だに現役で着れています。

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