毎年ではないけれど、つい行きたくなってしまう富士山。今年の夏も家族6人車中泊の旅で行ってきました。
ちなみに、静岡側ではなく山梨側がお気に入りです。富士吉田市から見える富士山が大好きで、その凛とした姿を見ると、ここに住みたいと思ってしまうほどです。
実は私が住む町(チーバくんのほっぺの辺り)からも富士山がかろうじて見えます。我が家は低いところにあるので残念ながら自宅からは見えませんが、高台の方へ行くと冬の晴れた日に見えることがあります。
ありがたや~、ありがたや~。
contents -目次-
いくつもの寄生火山がある富士山
夏になると登山客や観光客でにぎわう富士山ですが、実は富士山っていくつもの寄生火山があるって知っていましたか?
「寄生火山」とは
大きな火山の側面に付随して生じた小火山体。側火山ともいう。マグマを地表に導く火道が分岐して側方に別の噴出口を生じたり,主火道の位置が移動したりして形成される。単成火山が多い。マウナケアなどのハワイ諸島の火山や富士山に多くみられる。
引用:『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』より
独立峰として有名な富士山だけに、周囲にいくつもの山があるだなんて知りませんでした。
引用:『静岡大学防災総合センター』より
宝永山はしっていたけど、富士山の麓にこんなに山があったとは・・・。
「なるさわ富士山博物館」
このことを知ったのは、たまたま立ち寄った道の駅「なるさわ」にある『なるさわ富士山博物館』にてです。
年中無休、しかも無料で富士山について知ることができるんですよ。館内には博物館の他に、水晶原石や天然石、パワーストーンなどを売っている「ミュージアムショップ」、夏季期間のみの営業で富士山サンデーが名物のオープンカフェ「Wiewiel Narusawa」(意味はフランス語で「なるさわどんだけ~」だそうです)、富士山を眺めながら利用できる多目的ホール「フジエポックホール」などがあり、道の駅ながら十分に楽しむことができます。
外には富士山を綺麗にみられる展望デッキがありますが、ここは自然探検路内にあるため、たしか100円位とられたかも。我が家は貧乏旅行なため、ここでお金を払ってまで富士山撮らなくてもいいやということで、スルーさせていただきました。
いざ、富士山へ向かいます。
マイカー規制に注意
富士山の登山口は4つ、
山梨県側の吉田ルートの「富士スバルライン5合目」と、
静岡県側の須走ルートの「須走口5合目」、
御殿場ルートの「御殿場口新5合目」、
富士宮ルートの「富士宮口5合目」です。
以前はそうではなかったのですが、現在は多くの登山口がマイカー規制の為、自家用車で登山口へ向かうことができません。
2017年マイカー規制期間
麓の駐車場でシャトルバスに乗り換えます。ただし、御殿場ルートはマイカー規制を実施しません。
ルート マイカー規制実施期間 乗換駐車場 富士スバルライン
(吉田ルート)7月10日(月)17時〜9月10日(日)17時 富士北麓駐車場 ふじあざみライン
(須走ルート)7月10日(月)正午〜9月10日(日)正午 須走多目的広場 御殿場ルート 実施なし 富士山スカイライン
(富士宮ルート)7月10日(月)9時〜9月10日(日)18時 水ヶ塚駐車場 引用:「富士登山オフィシャルサイト」より
マイカー規制がかかっていると、駐車場代の他にシャトルバス代がかかってしまいます。子供は半額とは言え、5合目まで行くのになかなかの金額がかかってしまいます。
ここで威力を発揮するのが電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)!
なんと、マイカーであっても吉田ルート(富士スバルライン)と須走ルート(ふじあざみライン)はマイカー規制から外れるため、5合目まで上ることができるんです。
いいな~電気自動車。
富士スバルラインは2~3年前に行ったし、須走口にもずーっと前に行ったことがあるし、ここはマイカー規制がかかっていない御殿場口へ行こうということになり、早速向かいました。
穴場の御殿場口
自衛隊の車両が多く走る道を通りながら、くねくねと5合目までハイエースは走ります。
自衛隊の敷地の間を走っていくので、ついきょろきょろと周りを見てしまいます。
ん?もう着いたぞ!
あっという間に御殿場口駐車場に到着です。
そうなんです。
御殿場口は富士スバルラインのような渋滞も無ければ、
駐車場を必死になって探さなくても大丈夫なのです。
しかも御殿場口の標高は他の登山口よりも低いため、
あっという間に着いてしまうんです。
これがおそらく穴場の理由なのではないでしょうか。
須走口5合目は1970m、富士宮口5合目は2390m、
それらに対して御殿場口新5合目は1440mとかなり低いのです。
「岳」の「三歩」の様な登山大好き人間にしてみれば、富士山は低いところから登りたいのかもしれませんが、多くの人は頂上まで登るのに少しでも上の方から登りたいはず。頂上を目指そうと思うなら、他の登山口にみんな行くのでしょうね。
さらに、御殿場ルートには山小屋が少ないというのももう一つの理由のようです。駐車場のある新5合目から大石茶屋のある5合目まで約15分歩くと、次にある山小屋は7合目!登山に慣れた人でも4.5時間だそうです。慣れていない人だともっとかかるでしょうから、何時間もトイレも無く避難できる場所もないというのは不安です。
御殿場口が穴場なのに納得いたしました。
しかーし、しかしですよ、
登山しに行くんじゃなく、ただ富士山に行きたかったというのなら、御殿場口はほんとにおすすめなんです。
マイカー規制もなく渋滞もない、混雑していないし、それでいてプチ登山が体験できる!
二ツ塚までなら約1時間
プチ登山!
そう、これこそが御殿場口のおすすめ最大理由です。
登山する気もなく行ったので装備は何もなく、水すらない。
非常食も無ければ、長男はサンダルでした。
とりあえず大石茶屋まで行くと、目の前に富士山頂と宝永山が!さすがに山頂は遠そうだけど、宝永山は意外に近そう。
そこで、山小屋のご主人に尋ねてみると、「宝永山まで早くても片道4~5時間かな。あんたたちなら6~7時間ぐらいかかるんじゃない。」と言われました。
さすがに5歳の娘を連れて、しかも無装備な上長男はサンダル、こんなんで登山していたら「山をなめるな!」と誰もが思うでしょう。さすがに無理です。
しかし山小屋のご主人、「二ツ塚までならその格好でも片道1時間ほどで行って来れるよ」と教えてくれたのです。
山頂からの景色が素晴らしい二ツ塚(双子山)
見ると、宝永山の手前にも山が2つ見えます。これこそ先ほど冒頭で説明した寄生火山なのです。確かにそこなら行って来れそうということで、アタック開始です。
5歳の娘がいつ「だっこ」というか・・・、
そして長男はサンダル履きで大丈夫なのか・・・、
プチ登山を嫌がる次男はすでにふてくされているし・・・、
でもその割に登るの速いぞ、などいろいろ思うところはあるのですが、一歩一歩砂礫の道を歩いて行きました。
今日は天気がいいので遠くまで下界が見渡せます。
見上げれば宝永山と富士山頂も。
時折富士演習場の方から「ドォーン」という音が聞こえてきます。
ここから頂上を目指して登山する人たちは見当たりませんでした。数人の登山客はいるのですが、やはりみなさん二ツ塚を目指しています。
日ごろの運動不足を痛感しながらも、六人全員1時間ほどで二ツ塚下塚(下双子山)にアタック成功です。5歳の娘も抱っこすることなく、自分の足でここまで上りました。
一息ついたら今度は二ツ塚上塚(上双子山)を目指します。足元が悪く、時折ゴロゴロとした火山岩が転がっているので、道を選んで登らないといけません。
次男に続き、長女もぶつくさ言いながらも、コチラも全員アタック成功。
二ツ塚上塚(上双子山)から眺める景色は、今まで見たことのないアングルで富士山を見せてくれます。目の前には宝永山が見え、その向こうには山を愛するだれもが憧れる富士山頂。そして右側を見ると、美しい富士山の斜面、大砂走りが。
「岳」で「三歩」が言っていた言葉を借りると、
「ここだって富士山でしょ。
頂上までぜーんぶ富士山じゃん。」
そう思わずにはいられない景色でした。
ここまで自分の足で登ってこないと見られない景色にしばし目を奪われ、「岳」の気分に浸っていた私は、「待ってろよ宝永山、次はおまえだ!」と心に決めたのでした。
富士山の雄大な景色に感動していると、何やら遠くから女性の悲鳴が。どうやら御殿場ルート最大の富士山アトラクション、「大砂走り」を体感中らしく、ここからでも砂煙をあげながら下っていく様子が見えます。果たして彼女は転ばずに下りられるのでしょうか?
「いいな~、楽しそう」と思いながらも、登山道を外れるわけにはいかないので、「待ってろよ、大砂走り!宝永山登ったらおまえを走って下ってやる!」とまたもや心に決めたのでした。
下りは大砂走りほどではないながらも、それなりに勢いがつくと、砂埃をあげながら走り下りることができます。もちろん足元は砂埃だらけになりますが。
ちなみにスニーカーで下った結果、お気に入りのスニーカーの小指の辺りに穴が開いてしまいました(涙)。
無事山小屋まで戻ってきた私たちを、山小屋のご主人は笑顔で出迎えてくれました。暑くなった体を冷ますため、みんなでかき氷をいただくことに。ジャリジャリのカキ氷を想像していたら、なかなかクオリティーの高いカキ氷が出てきてびっくりしちゃいました。
ふわふわでおいし~!!
日光東照宮で食べた天然氷のカキ氷よりもおいしいかも?!登山の後にこの雄大な景色を見ながら食べるカキ氷は、なによりもごちそうでした。
プチ登山を体験できるうえに、プチ大砂走りまで体験できる、御殿場ルートは最高に楽しめる場所です。富士山にドライブ行ったら、ぜひ立ち寄ることをお勧めしますよ!
追記:文明の利器ってすごい。