皆さんは干支を間違わずにスラスラと言えますか?
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
(ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い)
ですね。
ふだん私たちが干支を気にするのは年賀状を書く頃と、知らない人との会話をなんとかもたせようと苦し紛れに「ナニ歳ですか?」聞くときぐらい。
しかも、私たちは年賀状に干支の絵を描くとき、子はネズミ、丑は牛、寅は虎…そして戌は犬の絵を描いていますが、よく見てみるとおかしいですよね?そう字が違う!
今年の干支である戌年の戌が「犬」を意味するなら、最初から犬でいいのに!ですよね。
じつは、干支の本当の意味には思いもよらない真実が隠されていました。
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十二支の文字は植物の成長を意味していた
詳しく教えてくださるのは、福島県にある臨済宗福聚寺のご住職であり、2001年に「中陰の花」で芥川賞を受賞した玄侑宗久さん。
玄侑さん曰く
「今年の干支である戌ですね、もともと植物の枯れた状態を意味する文字で、動物の『犬』ではなかったんです。」
だそう。
私たちは十二支を動物であるように捉えていましたが、初めからもしも動物であったならば、子は鼠、丑は牛、寅は虎…と書けばいいので、もともと意味するのは動物ではないということが、あの文字をよーく見ていれば分かること。
では、私たち日本人が動物だとすっかり思ってしまっているこの文字のもともとの意味はというと…、
植物の成長のプロセスだったのです。
十二支の意味
そもそも十二支とは、今から3000年ほど前、中国・殷の時代に考えられた暦で、おもに1年間を12ヵ月で区切るために考え出されました。
植物の営みを意味する連続した12の文字を1ヵ月ごとに割り当てたことが十二支の始まりと考えられています。
それぞれの意味は
子:新しい命が種の中で芽生え始める
丑:芽が種の中に生まれ、まだ伸びる ことができない
寅:春が来て、根や茎が生まれる
卯:根や茎が地面をおおう
辰:根や茎の形が整う
巳:根や茎の成長が限界をむかえる
午:植物の成長が止まる
未:葉が生い茂り、果実ができ始める
申:果実が育ち固まっていく
酉:果実が完全に育った
戌:植物が枯れている
亥:植物の命が種の中に閉じ込められる
というかなり奥深いもので、覚えにくさMAXなものでした。
そこで、より民衆に広めるために殷の国の天文学者が12個の文字を残したまま、親しみのある12種類の動物を割り当てました。
それがやがて時刻や方位、年を表すものとして使われるようになったのです。
ちなみに十二支を英語で言うと、
子:rat
丑:ox
寅:tiger
卯:rabbit
辰:dragon
巳:snake
午:horse
未:sheep
申:monkey
酉:rooster
戌:dog
亥:boar
と動物そのまんまですね。
とはいえ、十二支の由来には諸説あります。今回ご紹介したのは監修してくださった専門家の方の見解です。
意見には個人差がありますので。
余談ですが
いわゆる「鬼門」と言われている方角は北東ですが、これを十二支で当てはめると「丑寅」。
なので、鬼は牛のような角を持ち、虎模様のパンツをはいているのだそうですよ。
「チコちゃんに叱られる」6月2日放送分より