授業中、無意識のうちについペン回しをしていたことってありません?
私はうまく回せずに、ムキになって成功させようとして授業に集中できず、挙句の果てにはシャーペンを下に落としてしまうくちでした。
上手な人ってスゴい技を持ってますよね。
まるでドラマーのようにクルクルとペンを回しています。
ペン回しにもプロの方がいらして、2014年に開催されたペン回し世界大会で優勝したKayさんは本人曰く、
「世界唯一のペン回しパフォーマー」だそう。
これだけクルクルとペンを回すKayさんなら「なぜ人はペン回しをするのか」知っているはずと尋ねてみると
「えっ?なんでですかね…。ちょっと、なんでって言われるとよく分かんないですね。楽しいからやってます」
との、なんとも頼りない答え。そこに楽しい以外の理由は存在していない様子でした。
しかし、真実は「そうなのか!」となんとも納得のいく理由でした。
ペン回しをするのは脳みそをフル回転させるため
じつは、人がペン回しをするのは
脳みそをフル回転させるため
だったのです。
脳科学を専門に研究している諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀氏はこう解説しています。
「指先でペンを回すという繊細な動きをすることで、脳の外側から内側までフル稼働させることができます。」と。
ペン回しは指先を繊細にコントロールする必要が複雑な運動。ペン回しを覚えようとしているときには、運動による刺激がきっかけで脳の外側が活性化します。
それだけではなく、なんとペン回しが上達すればするほど、脳はさらに活性化するのだそう。
ペン回しが無意識にできるようになると、脳では「小脳」と「線条体」というところが活性化していきます。
「線条体」というところは「やる気」や「快感」に関わっているので、ペン回し自体がやる気のスイッチとしても機能するようになってくるというのです。
ペン回しができない人は貧乏ゆすりを
驚くことに、ペン回し以外でも授業中に机に座ったままで「線条体」を活性化させられるものがあります。
それは、なんと貧乏ゆすり!
貧乏ゆすりも「線条体」を刺激してやる気スイッチになるんだそう。
余談ですが、以前私が通っていた産婦人科の先生は、いつも貧乏ゆすりをしている方でした。女性の先生でしたので、いつも貧乏ゆすりをしているのを見てあまりいい感じはしなかったのですが、もしかしたらあれもやる気を奮い立たせていたのかもしれません。
貧乏ゆすりもやる気スイッチにはなりますが、ペン回しの方が快感との結びつきが強いので、やる気スイッチとしてはペン回しの方が有効なのだそう。
ペン回しを覚えようとしているときは、脳の外側を刺激し、無意識に回せるようになると、脳の内側を活性化させてやる気を起こす。
つまり、ペン回しをすることで、いいアイデアを出せたり、勉強の成績が上がるかもしれないという、なんとも利にかなった理由があったのです。
脳を最も活性化させる技は「ドラマー」
では、最も脳を活性化させる回し方はどんなものなのか?
それは最も難しい技に挑戦すること。これによって快感が多く得られやすくなるので、無意識のうちに難しい技ができるようになるといいのだそう。
そして、その技とは「ドラマー」。
名前から察するように、ドラマーがスティックをくるくる回しながら小指から親指まで一気にペンを駆け上がらせるあれですね。
よく、TOKIOの松岡くんがやっているので皆さんも見たことがあるかもしれません。
この技をスムーズにできるようになったら、あなたの脳もきっとフル回転することでしょう。
そういえば、指回しはよくお年寄りのボケ防止にいいと言いますので、お年寄りにこそペン回しオススメなのかもしれませんね。
しかし、ペン回しをすることで必ず学習能力がアップするというわけではないので、くれぐれもペン回しをする際は周りに迷惑をかけないよう気を付けましょう。
「チコちゃんに叱られる」6月8 日放送分より